宮部みゆきさんの杉村三郎シリーズ

読書をしだして間もない頃は宮部みゆきさんの本をよく読んでいた。最近は話題の新作ばかりに目が行って全然読んでいなかった。

家族からのお勧め本として回ってきた本が「名もなき毒
宮部みゆきさんの杉村三郎シリーズ2作目。


コンビニでお茶を買った老人が入っていた毒で死んでしまう事件から物語が始まる。

 

ここで杉村三郎シリーズのあらすじをざっくりと。

資産家の娘と結婚し、好きだった出版社の編集の仕事を辞め、義父の会社で社内報を作る編集部署に努める事となる杉村三郎。逆玉の輿のため、生活には困らないのは妻のおかげであり、自分はその親族に雇われる形でサラリーマンをやっている。自分の立場に自問自答しながらも、あらゆる人の問題にかかわる事となり、素人ながらに編集の経験を活かして聞き込み調査などをしながら事件の真相に迫っていく。

 

シリーズは全部で5作

1作目 誰か-Somebody-
2作目 名もなき毒
3作目 ペテロの葬列
4作目 希望荘(短編)
5作目 明日がなければ昨日もない(短編)
※私が特に面白いと感じたのは2作目と3作目

そういえば、このドラマを観ていたことを思い出した。主人公を演じる役者さんがとてもいい味をだしていて、おもしろくて印象深いドラマだったというのは鮮明に覚えているのだけど、年月が経ちすぎていて思い出せる映像が、わずか4シーン程度となんとも情けない。

出て来る人物は自分勝手で思想がちょっと怖い人や話の通じない人々で、こういう人と渡り合うのは、人の善い三郎にとって気苦労が絶えないだろうなと思った。

元社員に家族を狙われたり、殺人事件やバスジャックに巻き込まれたりと三郎自身も何度も危険にさらされる上に、家族との問題もあり三郎一家の行く末も心配だ。

本を読んでいるうちにドラマの記憶とリンクして楽しく読めた。

そんな勢いもあって順番はバラバラだったけど杉村三郎シリーズ5作全てを、一気に読んでしまった。5作中の4作目と5作目は短編だが、ページ数が多いので1話でも一冊のような読み応えがある。

どれも分厚くて読むのにはとても時間がかかってしまったというのはあるけれど、読み進める手が止まらなかった。

どうしても、ドラマを先にみてしまうと自分の想像上の主人公がかき消えてしまうので、映像を見るのは出来れば後にしたいのだけど、この作品は俳優さんと主人公がやけにマッチしていたと思う。俳優さんは宮部さんご指名とのことで納得。

その役者さんがテレビに出るたび、「また楽しませてくれてありがとうー」と言っている自分がいた。本来は宮部さんに言うべきなのかもしれないが。

近いうちにドラマを全部借りて、一気見している自分がいるだろう。