主人公に惚れてしまった

「砕け散るところを見せてあげる」(著:竹宮ゆゆこ)の作品は主人公がいい!

主人公の濱田清澄(高3)は、後輩の女子の蔵本玻璃(高1)がいじめられているところに遭遇。見かねて助けるのだが、その反応が異常で清澄くんパニック。助けたのになんで?と思いつつ、気になって彼女の様子を伺いに1年の教室へ。一見、変わり者かと思った玻璃と関わるうちに、いじめのもっと先にある残酷なことが待ち受けていた。

私はこの小説がとても気に入っていて、好きな作品の上位となった。
主人公の清澄は正義感が強くて明るくて優しい。
母親や近所のクリーニング店のおばちゃん、玻璃と清澄との掛け合いが面白くて笑ってしまう。文章も読みやすく、いじめなどのキツイ描写が中和されているように感じる。

読み始めと終わりで少しトリックになっていて、それが「よく解らない」との声もあり、ちょっと難解な部分もある作品。
UFOなどの抽象的な表現が引っかかる人もいるみたいだけど、私は面白い所が多ければ、そんなに気にならない方なので好みが別れるかもしれない。

トリックについては、たぶんこういうことだろうと理解したつもりではいるのだけど正解かは確認していない。確認すると、更に面白く感じるのか否かは未知数。とりあえずそのままにしておこうと思う。

清澄と玻璃との微笑ましい関係につい読みながら笑顔に。
ちなみに本を読んで笑っていると、ニヤついているらしく「何?気持ち悪い!」と言われることがある( ;∀;)

恋愛ありサスペンスあり面白さもあり、悲しいけど悲しくない?
そんなお話かと。
清澄の玻璃への愛情があふれている。

数年ぶりに読んだけど、私にとってこの本の良さは変わっていなかった。