ここ最近で一番よかった本

相変わらず毎日少しづつだけれど本を読んでいる。
4月は小説を5冊読んだ。

小説を読み疲れて来たなぁと思いつつ最後の5冊目に読んだ本がかなり良かった。

「夜明けのすべて」著:瀬尾まいこ

主人公はパニック障害がある山添くんとPMS(月経前症候群)がある藤沢さん。
2人はこの持病のためにそれぞれ会社も辞めてしまっていたが、新しい転職先で出会うことととなる。

藤沢さんは月経前になると誰彼構わずにイライラをぶつけてしまう。月経前のイライラは大から小まで様々だと思うけれど会社を辞めるほどなので、相当に大変な状況なのは想像できる。山添くんはパニック障害で、いつ発作が起きるのかわからず何処にも行けない。電車にも乗れず映画にも行けないなど色々な事ができず、友人とも疎遠になり心も動かなくなってしまっていた。

本を読むきっかけとなったのは、実写映画化のCMだった。紹介内容からして同じ女性である藤沢さんに強く共感するだろうと思っていたけれど山添くんの話を読んでいると、まるで自分のことかと思ってしまった。

私も体調不良は月経前後や排卵前後に強くなる。(月経中は体調不良が当たり前なのでカウントしない。よって、ほぼ毎日具合が悪い)。
関連痛なのか内臓や筋肉にも発作的に社会生活ができない程の激痛や苦しみの症状が出るし、あらゆるところに炎症が起きたり他にも数々の不調が多すぎて説明が難しいのだけど、月経前症候群の藤沢さんに繋がると思いきやパニックの山添くんの心情とか発作的症状による困りごと、医者の対応やそれに対する諦めににた感情など、自分のことと重なる部分が多かった。

病気とか体調不良は経験しないとわからないことも多い上に病気の人同士でも分かり合えないこともあるので、まさに孤独な戦いとなる。
だからたとえ小説であっても、自分の気持ちを解ってもらえた気がして少し感動したくらいだ。
この本を読む前は症状に悩む人の暗い話なのかと想像していたけど全然そうではなくて、どちらかというと面白い。

藤沢さんの明るさには救われるし、2人のやりとりが面白くて何度か吹き出してしまった。気を使わない話し相手はまさに理想的で羨ましい。

小説と違って現実は厳しいけれども、本はたまにツボることがあるので小説疲れたとか言ってないで、やっぱりどんどん読もうと思わせてくれた一冊となった。