近頃、よく思い出す事がある。
いつかのニュース番組で、年齢の高い1人の男性が取材を受けていた。
彼はこう言っていた。
「以前は、いつもいつも死にたいと思っていたけど、ふとしたことで絵を描くようになり、楽しくて今では一日でも長く生きたいと思っている。」と。
そのことをテレビ越しに見ていたとき、死にたい程につらい人生だったのだなと思うと同時に今、充実しているという彼の笑顔から羨ましさよりも、ちょっとした希望をもらった気がした。
人は何歳からでも、やり直せるし、始められる。
夢中になることが、ある程度の年齢を経てからでもやって来て、あんなに悩んでいた人の気持ちを180度変えてしまったのだ。本人も想像もしてなかったらしい。
絵といえば例として、もともと好きだったのに鬱っぽくなって出来なくなったという逆の悩みを持つ人もいるかもしれない。
でも、今はわからなくても夢中になれるものは、全く別の形でやってくるかもしれないし絵を描いていた人は、また絵に夢中になれる日が来るかも知れない。
自分にも“ふとしたこと"やきっかけが現れるかは分からないけれど、全く無いとも言い切れない。人生はどう良くなるか分からない。
こういう情報に触れると心の栄養になる。こういった小さな栄養をもっともっと集めて行きたい。
私も絵が好きだった。
今は描けていない。
でも、また楽しめる日が来ると確信している。